快速独逸阿房列車 その3
快速阿房列車第3回目。
4日目から5日目のベルリンを辿る。
平成24年9月18日火曜日。
バンベルクを昼前のICEで発ち、いよいよドイツ連邦共和国の首都、ベルリンに向かう。
ベルリンまではおよそ4時間ほどの長旅である。
この列車では前回のドイツ旅行ではできなかったあることを実行することにする。
それは、車内でのお食事。
前回はビュッフェでおやつは食べたけれど、食事まではできなかった。
日本ではほぼ全滅した食堂車。是非体験したい。
ところが、座った座席はちょうどコンパートメントで、折りたたみのテーブルまである。
どうやら座席で注文すればこの場で食事がとれるらしい。
そこで、若くて愛想のいい車掌さんにメニューを持ってきてもらい、この場でいただくことにする。
メニューを見てもよくわからないので、大体の大きさを聞いて、推測で注文。
注文を取るのも、配膳するのも車掌さんの仕事。なかなか忙しい。
でてきたのは大量のサラダと豆料理。チリコンカンとかいうやつ。
十分な量で、満足する。
さて、先は長い。ドイツの沿線風景は、日本のような起伏に乏しく、はっきり言えばつまらない。
農家の庭先の椅子におじさんが座っている。
草原の中の一本道を歩いている男がいる。
どこに向かっているのか、その先で何をしに行くのか全く想像もつかない。
明るい、平和な、けだるい昼下がりの景色が続く。
その眠くなるような景色の中に、僕が名前も知らない、僕のことなんて想像にも出てこないような、全くの他人の一生が存在している。
そんなことをぼおっと思いながら、引き続きビールを飲みながら牧場の牛や人を眺める。
夕方、ベルリンに着く。
陽は傾きつつあるが、まだ十分に高い。
とりあえず、街の中心部にある、アレクサンダー広場というところを目指してみる。
M2 /DR Summicron 50mmF2 /ベルリン市街
ベルリンはさすがに首都だけあって、賑やかだ。
のんびりした南ドイツとは大分雰囲気も違う。
ごちゃごちゃと、いろんな人や物が混じり合っている。
M2 /DR Summicron 50mmF2 /ベルリン市街
我々はというと、例によってまずはじめにインフォメーションセンターを探すが、見当たらない。
どうも駅周辺は大規模な工事中で、あっちこっち道を掘り返していて、持参したガイドの地図とは既に違っているようだった。
M2 /DR Summicron 50mmF2 /ベルリン市街
結局、市内地図は1ユーロで買うしかなかった。
ところで、ベルリンでは自転車がとても多く、ぶんぶん飛ばすクルマに混じってみんな乗っている。
M2 /DR Summicron 50mmF2 /ベルリン市街
ドイツの田舎から北上してきた我々は、ベルリンの雰囲気にはにわかに馴染めず、目の前の人やクルマを眺めるだけ。
日も暮れてきた。
我々は、本格的な市内観光は明日に始めることにして、近郊電車で20分ほどかかる宿に向かうことにした。
翌日は、ベルリンと言えばの、壁を見に行く予定だ。
宿は駅からけっこう離れていて、チェックインの頃には既に暗くなっていた。
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コメント
ベルリンでは、首相が原発依存から脱すると名言したから、意識的に皆さん自転車なのかもしれないなと思いました。
自転車のレンタルとかはヨーロッパだけじゃなくていろんなところでされてて、駅みたいな駐屯地があって、どこで乗ってもどこで降りてもいいみたいな。
日本でそれをやってるのは、多分原宿の辺りだけですよね。
もっと首都圏全部がそうなればいいなあと思うんです。
最近は都外から自転車通勤の方も多いし。
車両内での食事は、憧れるなあ。(^^
なんか、子どもの頃からの夢?みたいな。
寝台列車とかもすごい憧れて、実際乗りました、子どもの頃。
M6は意外な人が使ってたりしますね。
M7は銀塩の完成形と言われてますが、それとはまた違うんでしょうね。
ライカ的にはM7推しなのかもしれませんが。
投稿: roro | 2012/10/23 17:38
>roroさん
なるほど、そういった背景もあるかもしれませんね。
自転車のレンタルか~、あまり観光地くらいのイメージしかなかったのですが、
都会ではいいかもしれませんね。
食堂車、憧れますよねえ。
寝台車僕も子供の頃乗りました。
僕は子供の頃、大の鉄道好きだったんです。
今で言う?鉄ちゃんでした。
写真が好きなのも、たぶんそこが起源です。
ライカ的にはもうM7なんて推してないんじゃないのかなあ…(寂)
M9、M-E、そしてLEICA M。
いろいろ出てきましたよね、この秋。
投稿: brix_ | 2012/10/28 18:08