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2011/05/29

独逸阿房列車 本編8

平成21年9月25日。

地下鉄に乗り、ブリュッセル中央駅に向かう。
前日に取らせてもらえなかった、ICEの指定席を何としても取らねばならない。
ブリュッセルの地下鉄は、というか外国の地下鉄はどこもそうなのかも知れないが、雑然とした雰囲気で、必ずしも治安がよくなさそうな感じがする。
背後に気をつけながら、M6を懐に隠す。
さて、ICEの指定券だ。
昨日はブリュッセル南駅での購入に失敗した。
今日はブリュッセル中央駅で挑戦だ。
ああ言われたらこう言おう、こう言われたらああ言おう、と頭の中で予行練習を繰り返す。
ベルギー人に何と言われようが、絶対にひるまないぞ。

果たして、指定券はあっけなく取ることができた。
昨日あんなに頑なに取らせてくれなかったのはいったい何だったのだろう。
あのおばちゃんがかなり意地悪だったのか、必要以上に親切だったのかのどちらかなのだろう。
とりあえず無事に取れたのだから、あとは気ままに観光できる。

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M6 /Planar T*50mmF2 /DNP CENTURIA400 /ブリュッセル市街

向かうのはグラン‐プラスという中央広場。
一見してドイツより風景がきらびやかだ。
そこらじゅうにお城のような建物がひしめき合っている。
露店では絵が売られ、教会のそばには花束とリボンで飾られたBMWが停めてある。結婚式だ。
ベルギーはレースの織物が名産らしく、たくさん売っている。
本当に上等なものはすごく高価なのだろうが、お土産的にはお手頃な物もある。
あと有名なものはチョコレートか。

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M6 /Planar T*50mmF2 /Kodak Gold100 /ブリュッセル市街

人混みに流されるようにして歩いていると、いつの間にか有名な小便小僧のところまでやってきた。
遠足に来ていた子どもたちは、首から監視カメラをぶら下げた小便小僧を前に大はしゃぎしている。

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M6 /Planar T*50mmF2 /Kodak Gold100 /ブリュッセル市街

ただでさえ方向音痴な僕のことである、あちこちの小路に入り込むうちにすっかりどこを歩いているのか分からなくなった。
けれども、なんとなくでもいっていい方向と悪い方向はわかる。
それなら、あまり地図を気にせず、時間が許す限りめくらめっぽうに彷徨うのもいいだろう。

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M6 /Planar T*50mmF2 /Kodak Gold100 /ブリュッセル市街

ふと視界が開けると、聞き覚えのある歌が聞こえてきた。
ビートルズのレディ・マドンナだ。
歌の聞こえるほうに歩いてゆくと、立派な髭を蓄えた爺さんが弾き語っていた。
かなりうまい。
ギター1本アンプに繋ぎ、気持ち良さそうにうたっている。
レディマドンナを歌い終えると、彼は「ビートルズ、フォーエバー!」と言った。

さて、歩き疲れてきた。
そろそろ帰ろう。

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M6 /Planar T*50mmF2 /Kodak Gold100 /ブリュッセル市街

マンションの近くの公園では、日本と変わりない、普通の夕方の風景。
外国にいるのに、夕飯のカレーや他味噌汁やらの匂いが漂ってきそうな気がする。
いや、もしかすると、いまこうして日本で当時を思い出しながら書いているからそう思うだけであり、その場にいた当時はそんなこと思わなかったかもしれない。
感覚の記憶なんて、時間が経てばいいように変わってしまう。
当てになんかならない。

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