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2010/03/07

独逸阿房列車 本編7(前半)

独逸阿房列車もようやく後半。
だが相変わらずその歩みは遅い。

平成21年9月24日。

この日はいよいよドイツを離れる。
次に目指すは隣国のベルギー王国だ。
ハイデルベルクからフランクフルトまではICで小一時間。
乗った列車は空いていて、初めてのコンパートメント(6人部屋)を占拠することができた。
やはりヨーロッパの列車を利用するからには、一度コンパートメントに乗ってみたいもの。

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M6 /Planar T*50mmF2 /DNP CENTURIA400 /フランクフルト中央駅

フランクフルトでは少し待ち時間があるので、ホームで行き交う人々を眺めたり、電車の写真を撮ったりして過ごす。
次に乗る列車もまだ入線してこない。
行き交う人たちを眺めていると、みなそれぞれ行き先を持っている。
両親に見送られ、息子が列車に乗り込む。
仲の良い友達を見送っているのか、涙を流して別れを惜しんでいるおばさんがいる。
ベンチに座ってそばで眺めていると、おばさんもちょっと照れたのか、
「あなたたちもこの列車に乗るの?」
と涙を拭きながら聞いてきた。
彼女は列車が発車してホームから見えなくなるまで、ずっと涙を拭いながら見送っていた。
そして列車がすっかり見えなくなると、吹っ切れたような面持ちで、足早にホームを去っていった。

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M6 /Planar T*50mmF2 /DNP CENTURIA400 /ハイデルベルク市街

次に我々が乗る列車は、ブリュッセル行きのICE14便である。
この列車は二つの編成が併結されていて、もうひとつの編成はアムステルダムまで行くらしい。
ここフランクフルトは始発駅であるので、余裕で座れるだろうと高をくくっていたのだが、1等車は空いてはいるが、どの席にも予約済みの表示が出ている。
そのほとんどがケルン~ブリュッセル間だ。
そして、他の席には「ggf. freigeben」との表示が出ていて、座っていいのか悪いのかよく判らない。
仕方がないので、早々に1等席をあきらめ、妻が2等席を確保している間、もう一度1等席をよく調べることにした。
どの席にも表示が出ていて、通路では空席を探す人々が右往左往している。
もう1等席はどうでもいいのだが、「ggf. freigeben」の表示の意味が分からず、歯がゆい。
立派な髭を蓄えた老紳士がいたので、この表示の意味を聞いてみる。
すると紳士は、すごく困ったような表情をして、ため息のような声を漏らした。
僕の質問を嫌がっているのではなく、この英語も覚束ないような東洋人にどう説明したらいいか、言葉を選んでいる様子だった。
「フィフティフィフティ」
少しの間をおいて、紳士は言った。
その後も言葉を続けていろいろ説明してくれたのだが、心なしか彼の言葉はフランス語が混じったような英語だったので、何を言っているのかはよく判らなかった。
まあおそらくフランス語が混じっていなくとも判らなかっただろうけれど。
とにかく、「予約になることもあれば予約にならないこともある」ということは確認した。
こんな曖昧な席はご免だ。
予約になるか分からないなら座っちゃお、という度胸も僕にはないので、僕は紳士にお礼を言ってすごすごと2等席に引き返した。
しかし謎はなお残る。
自分たちの座っている席にはなんの表示もないので空席なのは明らかだが、辺りを見回すと、「bahn confort」の表示がでている席がある。
空席はたくさんあるのに、無表示の席が非常に少なく、「ggf.freigeben」やら「bahn confort」など、不可解な表示の出ている席がやたらと多い。
いったいどんな座席指定のシステムになっているのだろうか。
モヤモヤするので、検札に来た車掌さんに、「bahn confort」の表示を指さしながら聞いてみた。
車掌さんは懇切丁寧に教えてくれたが、残念ながらまたしても意味はほとんど判らなかった。
しかし、横で聞いていた妻の聞き取りにより、何らかの優先席であることはわかった。
いずれにせよ、座らないのが無難な席であるようだ。

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D-LUX3 /フランクフルト~ブリュッセル ICE内

とりあえず席は確保できたので、ビールを飲みながらハイデルベルクで買ったサラミの残りを食べる。
ビールは温いが、列車の中で飲むビールはおいしい。

ケルンに着くと、大勢乗ってきた。
みんな大きなリュックを背負い、手には水の入ったペットボトルを持っている。
通路が空席を探す人で溢れかえり、にわかに騒々しくなった。
窓の外に見える文字がドイツ語からフランス語に変わり、ベルギー国内に入ったことを知る。
運行時刻がなかなか正確だったICEだったが、ベルギーに入った途端、遅れ始めた。
大きな都市に入り列車が減速するたびに、終着のブリュッセルに着いたかと思えば、ノロノロと徐行し一向に駅に着かない。
30分ほどは遅れただろうか、目的地のブリュッセル南駅に着き、混み合った車両から吐き出されるように我々はホームに降りた。

さて、フランクフルトからブリュッセルの間は非常に混み合うことが分かった。
帰りも同じ経路を通るので、まずは帰りの座席を確保しようと、我々は切符売り場を探した。

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