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2009/10/07

独逸阿房列車 空路編

平成21年9月17日。

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D-LUX3 /成田空港

日本を発つ前日は成田に泊まり、翌朝ホテルからのバスで空港へ向かう。
僕は緊張し、心なしか腹が痛い。
しかし、ワクワクしながらバスで移動というのも小学生の頃を思い出させ、懐かしく楽しい。
11:25フランクフルト行きの飛行機でいよいよ出国。

飛行機は予想を超える速さで日本列島を横断してゆく。
川沿いに道路や集落が見え、人々の生活は川と共にあったのがよくわかる。
他の乗客の皆様はシレーッとした雰囲気で乗っているが、そんなのはお構いなしに僕は眼下の風景に心躍らせる。
しかし、空からの風景は案外解りにくいもので、眼下の国道らしい道も、大きな湖も、どこだか分らない。
つい新幹線のイメージで、上越新幹線・関越道のルートで飛んでいるように思いこんでしまうが、そういうわけでもないだろう。
やがて川は海に注ぐ。
するとふとどこかで見たような地形になった。

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D-LUX3 /新潟市上空

見覚えのある港の形…、二本の大河…、
これは新潟市上空ではないか!
写真上が阿賀野川、写真下がわが日本の誇る信濃川の河口である。
河口好きの僕には堪らない。
日本出国の折に、馴染深き新潟の地の上空を飛んでくれるとは、なかなか粋な飛行機ではないか。

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D-LUX3 /機内から

日本を出て、大陸の上空に来ると、さすがに見慣れない地形が現れる。
大きさを比較できる人工物が全く見えないので、そのスケール感が全くないが、相当な高山や大河に違いない。
眼下に見えるあの場所には、人間はいるのか、動物はいるのか、彼らはどんな生活をしているのか、あれこれと想像が膨らむ。
そしてさらに…、

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D-LUX3 /機内から

この気持ち悪いほどの蛇行っぷりといったらどうだろう。
河口や三角州など、堆積系地形好きな僕としては、この眺めに目が釘付けとなった。
辺りには三日月湖やそこから展開していった地形も無数に確認できる。
広大なユーラシア大陸の中にあっては、この川も無名の一河川に過ぎないのかもしれないが、この川はどれだけの年月を経てこれだけの地形を形作っていったのだろう。
相変わらずスケール感は全くないが、物理的な大きさについてはもちろん、年代的な感覚も既に消失し、この眼下の風景が、さっきまでいた日本の風景と時間的に繋がっていることが信じられないような気持ちになった。
ずっと前に、目の前にありながら、決して手の届かない場所、というものが恐ろしいということにちょっと触れたことがあったが、この時もまさにそう思った。

眼下の風景にはいまだ飽きることがないが、窓のシェードを下させられる。
眠る時間らしい。
窓の外はいつまでも明るく、夜は来ない。

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M6 /ColorSkopar28mmF3.5 /DNP CENTURIA400 / フランクフルト上空

21:30頃、バルト海の上空に到り、最後の機内食をとる。
22:00過ぎ、ヨーロッパ大陸が見えてきたころ、時計を現地時間に合わせた。
整然とした街並みが、ヨーロッパっぽいと言えばそう見えなくもないが、なにぶん初めてなもので、思ったより感想が出てこない。

そして無事、フランクフルト国際空港に到着。
さほど疲れはないが、初めての海外に緊張しつつ席を立つ。
さあ、いよいよ初めて海外の地をこの足で踏むのだぞ、と密かにニール・アームストロングのような心境でその時を待つ。
だが、果たしてどの瞬間が「その時」なのかわからぬまま、なんとなく空港内に入ってしまい、月面着陸のような劇的な瞬間が訪れることはなかった。

空港駅からは近郊電車でフランクフルト中央駅へ。
切符を買うにも、ホームを見つけるにも、少しずつ万遍なく迷いつつ、電車に乗り込む。
…一瞬でも気を抜いたら、やられる。
斬るか斬られるかだ、と密かに幕末の志士のような心境で車内を過ごす。
だが、斬ることも斬られることもないまま、中央駅到着。
櫛型の線路とホームの配置がかっこいいターミナル駅だ。

駅を出て、すぐに宿泊先のホテルを見つけチェックイン。
とにかくなんとか、我々はドイツに着いたようだ。

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コメント

おう、ドイツに着いた編ですね。
ドイツに降りた瞬間、臭いとか香りとかしませんでした?

俺はかつて中国に着いて、飛行機から降りるとき、その国には独特の空気の臭いというか、あるんだなあと思いました。

ヨーロッパにはあるのかな。

投稿: お腹 | 2009/10/08 00:17

確かに、僕も匂いは意識して行ったんです。
何か違うもんかな、と。
そして空港の中に入って思ったのは、
デパートの1階の匂いだな、と。

要は香水の匂いだと思うんですけど、
僕にとっては化粧品売り場の匂い、というのが
匂いについての第一印象でした。

投稿: brix | 2009/10/08 22:18

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