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2009/06/20

あれは源氏かはたまた平家か?

この地へ引っ越してから早3年目となり、来年も引き続きここに住む可能性は高くない。
それはつまり、今この地のの住民として体験している四季折々は、今年で最後となる可能性が高いということだ。
―ここの桜はもう見られない。
―ここの田植えももう見られない。
―ここの鯉のぼりももう見られない。
もちろん、どこへ引っ越したとしても、ここへ足を運んできて見ることはできるのだけれど、普段から生活をしていて経験するのと、そのとき限りの余所者として経験するのとではいろいろ違ってくる。
僕もこの地ではまだまだ余所者ではあるが、日ごろから住んでいればこそ楽しめることも多いのである。
であるから、今年はこの地でやっておくべきことがたくさんあるのだ。

L1090598_640
M F2.8 60 ISO800 MF

今日はとても蒸し暑かったが、こんな日の夜にはホタルが出るという。
ホタル。
小さい頃見たような、見ていないような。はっきりとした記憶はない。
記憶がないということは、見ていないということとほぼ同じである。
このことは、兄が連れて行ってもらった遊園地などに、幼い僕も同行したというのだが、僕は幼すぎ、そのときの記憶が全くないのにもかかわらず、お前もそこへ行ったことあるんだよ、ほら写真、などと親に言われても、自分のなかでは全くピンと来ず、どんな顔をしたら良いのかわからないのとよく似ている。
そのような場合、僕はその遊園地に行ったことになるのか、行ってはいないのか…。
そうして人にそこへ行ったことある?と聞かれるたびに、「あるんだけど…云々…」と、面倒な注釈を付け加える結果になるのである。

閑話休題。
とにかく僕にとってホタルは珍しく、見られるのであれば嬉しい。
そこで近所でも見られると言うので、ささっと塩焼きそばを作り、ビールを飲んで夕食と為し、ホタルが営業を開始するという19:30を待って寮を出た。

L1090619_640
M F5.6 60 ISO1600 MF

はじめはそれほど見つけられなかったが、どんどん歩いていき、空が完全に暗くなる頃、ホタルが乱舞している場所を見つけた。
これは紛れもなく初めて目にする光景だ。
ホタルにも賑やかなところが好きなヤツ、少し離れたところに一匹でいるヤツなど、個性があるようだ。
二つの光がくっついたり離れたりもしている。
あ、あの二匹は相性良さそうだな。あいつはだめだな、などと眺めている方は気楽なものである。

さて、撮影中に驚くことが起こった。
カメラの露光時間は60秒、その後さらに同じ時間だけ画像処理に時間がかかるので、1枚撮るのに都合2分かかる。
その間、僕はなんとなくホタルを真似て、液晶から漏れる光を手で覆ったり開いたりして、点滅させていたのだが、気付けばそこらじゅうのホタルの光が、僕の手の動きに合わせて、同時に点滅していたのだ!
これはなんということ。
これはたまたまかもしれない。偶然そうなったのかもしれない。
けれど、そのとき僕は鳥肌が立って、空恐ろしさを感じていた。
誰もいない真っ暗な森を目の前にして、辺りの無数の虫たちが自分に共鳴して光を放っているではないか!

L1090609_640
M F5.6 8 ISO800 MF                Leica D-LUX3

歩いて数分のところで神秘的な体験をした僕は、満足して川原の遊歩道を家路についた。
両親に連れられて散歩していた浴衣姿の女の子が、1匹のはぐれホタルを指差して喜んでいた。
あと1年もないなんてもったいない。
コンビニもなく、ワンセグも入らないこの場所に、もっと住んでいたいなとも思う。

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02.Leica」カテゴリの記事

コメント

自然あふれるいい所ですね。
僕の住む関東にはこのような場所は
かなり少なく、身近なものではなくなっています。

ホタルはしばらく見ていないですね・・・

投稿: じゃっく | 2009/06/21 22:07

じゃっくさんこんばんは!
ほんとに自然が多くて、田舎育ちの僕にはとてもあっています。
さて、週末に図書館で『小国町史』見てくるつもりでしたが、行けずじまいでした…。
今後また見てきますね。
あと、『CameraMagazine 10』ですが、買いました!
正直最近はずっと立ち読みで済ませていたのですが、
お世辞を言うわけではないのですけど、今号は面白かったです。
M6がらみの記事も多かったですし、僕が一番好きな創刊号に似たような雰囲気があったので。

投稿: brix | 2009/06/21 22:39

ホタルいいですねぇ。
風情があります。
ウチの近所にもいるらしいのですが、最近は仕事から帰るとすぐシャワーを浴びて、メシを食い、だらっとしてしまい、写真をまったく撮っていません。
なんてこった・・・。

なんていうか『アサヒカメラ』の最新号を見ていて、ヌードっていいな、とか思ってますが、撮らせてくれるモデルさんなどいるわけがなく。
今日買った『Huge』(男性向けアート誌、になるのかな)も偶然、ヌード写真の特集で、やけにタイムリーだなと思いました。

『アサヒカメラ』では同時にボケの特集も組んであって、コンデジでは難しいなあ、ヌードもボケがあったほうがいいもんなあ、などと考えたりしてますが、実行に移すつもりも、目算もなく、今後もなんとなく、犬と風景を撮っていくのかなあと思うと、ちょっとテンションが落ちます。(笑)

投稿: お腹 | 2009/06/24 19:57

お腹さんこんばんは。
『アサヒカメラ』僕も見ましたよ。少し前の『BRUTUS』でもヌードやっていましたし、
『日本カメラ』でもやっていますね。流行ってるのかな?
僕も撮ってみたい気もしますが、なかなか現実的ではないですよね、一般人としては…。
>ボケ
D-LUX3クラスのコンデジなら上手くすれば出来なくはないと思いますが、
やはりそこはデジイチとかフィルムとかに一歩譲りますかね。
お腹さんもどんどん建物とか、人とか、もっといろいろ撮ってみてはどうでしょうか?
と言いつつ、僕もマンネリ気味で…。

投稿: brix | 2009/06/29 22:17

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投稿: BigTomBB | 2009/07/08 09:34

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