エイジング
大分前のことだけど、彼女が「サンなんとかかんとかの日」に、自分が読んだ本を送ってくれた。
養老孟司の『養老訓』という本。
帯には「上機嫌に生きるための道しるべ」とある。
こう書くと、僕が不機嫌がちでそれを見かねた彼女がこれを勧めてくれた、というようにも見えるが、そうではない。
恐らく僕の方が上機嫌であることにかけては一日の長がある。
それはそうと、よさそうなことが書いてある。
「いい年こいてテレビを信用しない」
「つまらない本はない」
「好き嫌いはなくす」
「細かいことを気にする」
「格差よりメシ」
「ほんものの「市民」とは」
「何でも昔がいいわけではない」
「仕方がないで片付けよう」
「下手な物知りにならない」
「きちんとする」
「団体行動はさける」
「「お金を使わない」という幸せ」
「地元を知る」
「美田を残せ」
と、さっと小見出しを挙げただけでも、よさそうなことが書いてある。
とはいえ、これは70歳になった著者が70年分の経験から思うに至ったことがかいてあるのだから、現在29歳である僕が全てを理解できる訳でもなく、その必要もなく、むしろ、29歳でそうだそうだ、その通りだ!さすが養老先生!となってしまうのも実に不健全だ。
これからの41年間で全く違う思いにたどり着くかもしれないのだから。
けれど、漠然とあんな感じになってゆくといいな、とは思う。
時間とお金に余裕ができ、やらなくてもいい趣味に手を出してはしゃいでいる様子を逐一ブログで報告するおっさんがいる。
若者にもまだまだ負けないぞ!なんて。
娘と同じようなテイストの服が着られることを喜ぶおばさんがいる。
後姿は娘と間違われるのっ!なんて。
趣味や好きなことを楽しんでいける生活はとてもすてきだ。
けれどそこに、対若者とか、対加齢とか、歳を意識してしまうと、とたんに見苦しくなる。
歳をとったら(それが何歳からかは知らないが)、何をするかではなく、何をやらないか、ひいてはどんな言動をするか、ではなくどんな言動をしないか、が大事なのかも知れない。
一方、僕はまだまだ無知蒙昧の若輩者なので、あれもしたい、これもしたい、あれも欲しい、これも欲しい、あれもやんなきゃ、これもやんなきゃ、と日々欲張りながらブリグを綴る。
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