独逸阿房列車 本編1
平成21年9月18日。
ドイツ上陸の地、フランクフルトにはとりあえず1泊しただけで我々は移動を開始する。
今回の旅での移動手段はほとんど鉄道である。
切符は、ユーレイルセレクトパス。
選択した3もしくは5カ国内であればほとんどの列車を自由に乗り降りできるという便利な切符だ。
駅でいちいち切符を買う手間がないし、ちゃんとした切符を買えるか、といった不安もない。
何より、日程も大まかに決めておいて、あとはその時の気分で随時予定を変えられるというのがよい。
フランクフルト中央駅9:54発のICE529便で、今日の目的地のひとつ、ヴュルツブルグを目指す。所要時間はおよそ1時間。
席は指定席であればその区間が席ごとに電光掲示されており、それがなければ自由席というシステム。
難なく空いている席を見つけ、着席。
前の席の人が、きょろきょろしている我々を見て会釈してくれたので、念のために座ろうとしている席が自由席かどうか確認する。
革張りの広いシートだ。
女の車掌さんが検札に来て、飲み物のオーダーがあるかどうか聞いてくる。
頼めば席まで持ってきてくれるらしい。
まだそわそわとしつつ、窓の外に流れるいかにもヨーロッパといった景色を眺めているうちにあっという間にヴュルツブルグに到着してしまう。
DB(ドイツ鉄道)の誇るICEを堪能するには、1時間ではちょっと短いようだ。
市街地を歩いていると、ものすごく背の高い人を発見。
道行く人々に何やら配りながら、O2という携帯ショップの宣伝をしているらしい。
彼の半分くらいの背丈の妻(予)は、子どもと思われたのか、お菓子数点と風船で作った犬を貰っていた。
僕がその様子をカシャカシャ撮っていると、のっぽさんは自分の携帯を取り出して、一緒に撮ろうと言ってくれた。
言ってくれたとは言っても、のっぽさんはドイツ語しか喋らないらしく、何を言っているのかほとんど分からなかったが、通りがかったお姉さんが英語で通訳してくれた。
その後レジデンツという司教の居城へ行き、中のミュージアムもゆっくり見る。
またしてもドイツ語ばかりで、はじめは内容がわからなかったが、どうやらいかにして大戦で破壊しつくされたヴュルツブルグの街並みが戦後、元の姿に復興してきたか、ということを特集しているらしい。
おじさんもおばさんも、若者も子供も、皆興味深そうに解説者の話に聞き入っている。
夕方近くまで滞在し、今日の宿泊地ニュルンベルグへ。
このとき乗ったICEは混んでいて、1等車の通路にも人が立っている。
ニュルンベルグのホテルは駅のすぐ傍にあり、部屋の窓からは駅の構内を見渡すことができる。
少々やかましいが、もともと鉄道が大好きな僕にとっては思いがけない好立地である。
初上陸の緊張も少しずつ解け、徐々に異国の地にも慣れてきた僕は、ここニュルンベルグに2泊し、いよいよ独逸阿房列車の旅を本格化させてゆく。




















































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