チマチマと覗く。
週末、この前現像に出したフィルムを取りに行った。
このワクワク感、久しぶりだ。
さすがにAE機なので全部黒く潰れていた…、なんてことはなかったが、これまでのように一段マイナス補正を基本に撮ってみていたので、結果は全体にアンダー。
ところで、ネガにしろポジにしろ、光に透かしてフィルムを覗き込むと、そこに笑顔がたくさん写っていても、犬が写っていても、オバサンが写っていても、街中の喧騒が写っていても、全くの無音の世界を覗いているような感覚に陥る。
例えば僕の場合、本を読んでいると頭の中に、無意識のうちに音読している「誰かの声」が聞こえてくるものだが、フィルムを眺めていても、その「声」は聞こえない。
こんな感覚は他の人と共有できるものなのか、僕だけなのか、聞いてみたことがないからわからないけれど、少なくとも僕の場合、そうなのだ。
子供の頃、ネガフィルムを眺めると、そこに写っている海水浴などの楽しい風景とは裏腹に、そんな無音感や、反転した絵が気味悪く思えたことなどから、なんとも言えない淋しさを感じた。
にわかにフィルムを使い出して、調子に乗ってカッコよさげなことを言うつもりはないのだけれど、こういったちょっと淋しい写真の「過去感」は、デジタルに比べフィルムの方がはるかに強烈な気はする。
…なーんて思いながら天井の蛍光灯や窓ガラスに向かってフィルムをかざすのも疲れるので、お手頃なビュワーを買ってみた。
こんな単純そうに見える仕掛けの光る板きれでも、高いものはなかなか高い。
なので、小さくて薄いやつを。
まるで万華鏡を覗くような楽しさ。
絵の裏から光を当てて見るなんて、これまでPCの大きなモニター上でさんざんやってきたことなのに、小さなコマを小さなルーペでチマチマと見るこんなやり方がとても新鮮。
なんというか、子供の頃、部屋は広いのに壁と机の間とか、箱のなかとか、そういう狭いところが心地よかったのと同じような感覚だ。
こんな例え、伝わるかわからないけれど。
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