2009/07/04

空と田と柱

File0002_640
Leica M6 /ColorSkopar28mmF3.5 /Kodak Gold100 /上越市内

このカラースコパー28mmをつけるとき、僕のM6の場合、構図の確認は外付けファインダーを見なければならない。
ピント合わせには当然M6本体のファインダーを覗く。
当たり前と言えばそうだが、ふたつのファインダーをあっち見たりこっち見たりしなければならないのは、慣れないとなかなか難儀だ。
けれども日中十分な明るさがあれば、このレンズの場合、f8くらいまで絞っておけば、1.5m以上はほぼパンフォーカスで撮れるので、ピント合わせをほとんど気にしないで撮ることができ、ほぼ「写るんです」状態。
そのような条件ならば、露出もたまに計るくらいで十分だろう。最近はネガがほとんどだし。

さてこのレンズ、周辺は暗くなって、流れるような感じになるけど、レンズ自体はとても小さく、軽快に持ち歩くにはもってこいだ。
外付けファインダーから覗いた夏はとても広々としていて気持ちが良い。

| | コメント (2)

2009/06/20

あれは源氏かはたまた平家か?

この地へ引っ越してから早3年目となり、来年も引き続きここに住む可能性は高くない。
それはつまり、今この地のの住民として体験している四季折々は、今年で最後となる可能性が高いということだ。
―ここの桜はもう見られない。
―ここの田植えももう見られない。
―ここの鯉のぼりももう見られない。
もちろん、どこへ引っ越したとしても、ここへ足を運んできて見ることはできるのだけれど、普段から生活をしていて経験するのと、そのとき限りの余所者として経験するのとではいろいろ違ってくる。
僕もこの地ではまだまだ余所者ではあるが、日ごろから住んでいればこそ楽しめることも多いのである。
であるから、今年はこの地でやっておくべきことがたくさんあるのだ。

L1090598_640
M F2.8 60 ISO800 MF

今日はとても蒸し暑かったが、こんな日の夜にはホタルが出るという。
ホタル。
小さい頃見たような、見ていないような。はっきりとした記憶はない。
記憶がないということは、見ていないということとほぼ同じである。
このことは、兄が連れて行ってもらった遊園地などに、幼い僕も同行したというのだが、僕は幼すぎ、そのときの記憶が全くないのにもかかわらず、お前もそこへ行ったことあるんだよ、ほら写真、などと親に言われても、自分のなかでは全くピンと来ず、どんな顔をしたら良いのかわからないのとよく似ている。
そのような場合、僕はその遊園地に行ったことになるのか、行ってはいないのか…。
そうして人にそこへ行ったことある?と聞かれるたびに、「あるんだけど…云々…」と、面倒な注釈を付け加える結果になるのである。

閑話休題。
とにかく僕にとってホタルは珍しく、見られるのであれば嬉しい。
そこで近所でも見られると言うので、ささっと塩焼きそばを作り、ビールを飲んで夕食と為し、ホタルが営業を開始するという19:30を待って寮を出た。

L1090619_640
M F5.6 60 ISO1600 MF

はじめはそれほど見つけられなかったが、どんどん歩いていき、空が完全に暗くなる頃、ホタルが乱舞している場所を見つけた。
これは紛れもなく初めて目にする光景だ。
ホタルにも賑やかなところが好きなヤツ、少し離れたところに一匹でいるヤツなど、個性があるようだ。
二つの光がくっついたり離れたりもしている。
あ、あの二匹は相性良さそうだな。あいつはだめだな、などと眺めている方は気楽なものである。

さて、撮影中に驚くことが起こった。
カメラの露光時間は60秒、その後さらに同じ時間だけ画像処理に時間がかかるので、1枚撮るのに都合2分かかる。
その間、僕はなんとなくホタルを真似て、液晶から漏れる光を手で覆ったり開いたりして、点滅させていたのだが、気付けばそこらじゅうのホタルの光が、僕の手の動きに合わせて、同時に点滅していたのだ!
これはなんということ。
これはたまたまかもしれない。偶然そうなったのかもしれない。
けれど、そのとき僕は鳥肌が立って、空恐ろしさを感じていた。
誰もいない真っ暗な森を目の前にして、辺りの無数の虫たちが自分に共鳴して光を放っているではないか!

L1090609_640
M F5.6 8 ISO800 MF                Leica D-LUX3

歩いて数分のところで神秘的な体験をした僕は、満足して川原の遊歩道を家路についた。
両親に連れられて散歩していた浴衣姿の女の子が、1匹のはぐれホタルを指差して喜んでいた。
あと1年もないなんてもったいない。
コンビニもなく、ワンセグも入らないこの場所に、もっと住んでいたいなとも思う。

| | コメント (4)

2009/06/10

M6戻る。

L1090513_640

調整に出していたM6が3週間ぶりに戻ってきた。
早速オアズケ状態のカラースコパー28mmをつけてみる。
僕のM6はファインダー倍率0.72なので、28mmのフレームはファインダー目一杯に広がり、ファインダーを覗き込むようにしないと28mm枠の全体像が把握できない。
どうせレンジファインダーだし、28mmなんてそれほど厳密はフレーミングは不要だといえば不要なのだが、やはり気持ちがあまりよくない。
そこで、コシナの外付ファインダーも用意した。

…と、こう書くといかにも必要に迫られてファインダーを買いました、という風だが、本音を書くと、その見た目が格好良くて買いました!とほぼ言い換えられることは否定できない。
僕はストイックに写真を追求してますっ!というのではないから、見た目は重要なのだ。
モノとしてのカメラにも魅かれているから、わざわざライカなんて使っているのだ。
全国の真面目に写真やってる人、本気でライカで写真撮ってる人、スミマセン。
ま、別に僕とてふざけてやってるつもりはないのだけれど。

さて、ひと通り言い訳を済ませたところで、やはりいい感じである。
まず、レンズはとてもコンパクトで、50mmのプラナーのような重々しさが全くない。
プラナーも一眼レフのレンズに比べれば十分コンパクトだが、カラースコパーをつけたM6は、ほんとひと昔の「コンパクトカメラ」そのものだ。
ファインダーを外付けした分、縦に大きくなったが、このくらいどうということはない。

L1090519_640

そして、外付ファインダーの「見え」は素晴らしく明るく鮮明で、覗いた時の気持ちよさはM6のファインダーをはるかに凌ぐ。
F11くらいまで絞って、ピント合わせなど考えずに、視力の落ちた裸眼に新品のコンタクトレンズを装着したような気分でサクサクスナップしていくのは、一体どれだけ清清しいだろうかと思う。
外付ファインダーの色はブラックペイントかシルバーかだいぶ迷ったが、ボディに合わせてシルバーにして正解だったようだ。
レンズもファインダーも、ボディとの違和感がなく、重厚な雰囲気で調和している。
こんないいレンズやアクセサリーを安価で供給してくれるコシナはやはりエライ。
コシナさんありがとう!ツァイスイコン売ってごめんなさい。

これは実写が楽しみで仕方がない。

| | コメント (6)

«なおえのつ